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 翌日の午後5時になろうとしていた。正志は電車から降りて改札に向かう時、守山陽子の顔はどんな顔だったかなあと考えていた。昨日陽子とあれだけ話しをしたはずなのに、肩を並べて話しをしていた時間が多かったので、あまり印象がないことに気づいた。
 陽子はすでに来ていた。もちろん、正志の心配には及ばなかった。彼女は服装も髪型も昨日とは違っていたけど、正志はすぐに陽子に気づいた。
 「お待たせ。だいぶん待った?」
 「いえ。さっき来たところですから」
 「守山さん。今からどうする?」
 「一緒にお話ししながら帰るだけではダメですか?」
 「いや、いいよ。じゃあ、そうしよう」
 二人は時間にして10分ほどの距離をゆっくりと歩きだした。最初はお互いの今日あったできごとの話しをしていたが、やがて話題は相性や星座の話しに変わった。すると、陽子が思い出したように言った。
 「そうそう。私、明日が誕生日なんです」
 「それはおめでとう。で、何かほしい物でもある?」
 「いえ、特には思いつかないけど」
 「何か言ってほしいなあ」
 「えっ、いいんですか?」
 「うん、買える物なら」
 「それじゃあ・・・・・」
 「それじゃあ?」
 「かわいい犬の絵が描いてるパンツ」
 「えっ、犬のパンツ?」
 「犬のパンツじゃなくって、犬の絵の描いてあるパンツ。かわいいのがいいなあ」
 陽子はそう言うと、ちょっぴり舌を出した。その後、二人は明日の約束を交わして、昨日と同じ場所で別れた。
 家に帰ってから、正志は陽子へのプレゼントをどうしようか考えた。自分で買いに行くのはやはり抵抗があった。これはちょっとやっかいだなあと思った。彼は最初妹に頼もうかとも思ったが、からかわれそうな気がしたので、結局靖子に電話で頼むことにした。靖子とはもうすっかり以前の関係に戻っていたので、彼女に頼むのが最適だった。
 「吉田さん。お願いがあるんだけど」
 「なんですか? 私にできることでしたら」
 「実は買ってきてもらいたい物があるんだけど」
 「ええ、いいですけど、一体なんですか?」
 「女性用のパ、パンツなんだけど、犬の絵の描いてあるかわいいやつ」
 「えっ、犬の絵のパンツですか?」
 「そう。かわいいやつ」
 「難しい注文ですねえ」
 「なんとか頼むよ」
 「わかりました。じゃあ、明日にでも探しに行ってみます」
 「よかった。助かるよ。他に頼めそうな人がいなくって」
 「ところで、それはプレゼントですよねえ」
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